「うちは社員に優しい会社です」。体調が悪ければ仕事を減らし、難しい業務はほかの社員に任せる。それなのに休職や再休職が続き、「これ以上、どう配慮すればよいのか」と悩んでいませんか。今回は、職場で起こり得る架空のケースから、休職・復職支援のつまずきを考えます。
「しばらく負担を減らそう」が、半年続いている
休職していたAさんが復職しました。上司は「無理をさせないように」と担当業務を減らし、急ぎの仕事や顧客対応を同僚のBさんに任せました。最初は一時的な対応のつもりでしたが、見直す時期を決めないまま半年が過ぎます。
面談で「最近どう?」と聞くと、Aさんは「まだ少し不安です」と答えます。上司も「では、今のままで」と返し、それ以上は踏み込みません。どの仕事の、何が不安なのか。今の業務量で疲れが残るのか。具体的な話がないため、配慮が合っているかも分からないままです。
一方、Aさんは「仕事を任されない自分は、必要とされていないのでは」と感じていました。上司は「本人が不安だと言うから任せられない」と考えています。お互いを気遣っているのに、認識のずれが残ってしまうのです。

「本人には言いにくい」が、人事に集まっている
仕事を引き受けているBさんの残業が増え、上司に相談しました。しかし、返ってきたのは「Aさんも大変だから、もう少し協力してほしい」という言葉です。Bさんは、それ以上言い出せなくなります。
上司は人事に「現場はもう限界です」と伝えます。人事が「Aさんとは業務について話しましたか」と聞くと、「悪化したら困るので、そこまでは話せていません」。本人には「焦らなくていい」と伝えながら、本人のいないところでは「そろそろ戻せないか」という話が進んでいます。
この状態で突然「来月から元の業務に戻ってほしい」と言われたら、Aさんは戸惑うでしょう。Bさんにも「自分の負担は分かってもらえない」という思いが残ります。配慮を続けるだけでは、本人と周囲の両方を支えきれなくなることがあるのです。

必要なのは、配慮を減らすことより話を具体的にすること
休職にはさまざまな背景があり、優しさだけが原因ではありません。必要な休養や配慮を控えることが、解決になるわけでもありません。
まずは「何が負担か」「今できることは何か」「次にいつ確認するか」の三つを、本人と整理しましょう。「顧客対応が不安」なら、電話で即答することが難しいのか、対応件数が多いのかで、必要な支援は変わります。医師の意見も踏まえ、仕事内容と配慮を具体的に考えることが大切です。見直し日は、配慮を打ち切る期限ではありません。
同時に、周囲の仕事の偏りは会社が調整します。本人への気遣いを、同僚の我慢で支える状態にしないことも、職場全体の健康を守るために必要です。

休職・復職対応を、担当者だけで抱えないために
カホネスは、休職・復職への対応や職場の課題整理をサポートします。「面談をしても話が進まない」「本人と現場の間で、人事が板挟みになっている」。そんなときは、ご相談ください。本人への支援と現場の状況を一緒に整理し、次に何を話し合うかを考えます。
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